探偵に調査依頼をしたものの、後にその探偵とトラブルに発展してしまうケースは少なくありません。
トラブルの原因はいろいろ考えられますが、多くの場合トラブルは事前に回避することが可能です。
今回はそんな探偵とのトラブルの相談先や、事前にトラブルを防ぐ方法を伝授します。
探偵と依頼者の間で発生するトラブルにはある程度傾向があります。
もっとも多いのは費用の面に関してでしょう。
事前見積もりになかった費用が加算されていたり、調査結果がずさんなわりに調査費用が高額だったりというケースが考えられます。
さらにタチの悪い探偵業者になると、まず無料相談の段階で無理矢理契約を迫られたり、料金を支払ったら一切連絡がつかなくなり、調査結果報告がもらえなかったりというケースもあります。
また、近年増加傾向にあるのが「振り込め詐欺無料相談」を謳った探偵業者とのトラブルです。
アダルトサイトから記憶にない登録料の支払いを迫られるなど、いわゆるネット詐欺の被害に遭った人に対し、「無料相談」を謳って近づく手口です。
被害者の方が無料だと思って相談窓口に連絡すると、なんだかんだ理由をつけて、加害者側の調査を勧められます。
被害者が無料だからと契約すると、調査は無料ではなく、アダルトサイトの運営会社の企業調査結果が報告され、必要経費を請求されるというトラブルです。
ちなみに運営会社を調査したところで架空請求を解決することにはなりません。何も解決しないのに、調査費用を支払うことになるため当然トラブルに発展します。
内閣府の調査では近年こうしたトラブルの相談が増えているようです。
では、実際に探偵との間にトラブルが発生した場合、どこに相談するのがいいでしょう?
まず考えられるのが、その探偵事務所が所属する協会や団体です。
多くの探偵事務所は「社団法人探偵協会」や「一般社団法人日本調査業協会」などの団体に所属しています。
こういった団体は、所属する探偵事務所にまつわるトラブルに対しての相談受付を行っています。依頼者と探偵事務所の間に入り、問題解決を図ってくれることもありますので、まず相談をするには最適の団体といえるでしょう。
こういった業界団体は、探偵業界の発展を目標としており、探偵という仕事の社会的地位向上を目指しています。
こう書くと、トラブルが発生した時に探偵に有利な判断をしそうに思うかもしれませんが、実際はその逆。
探偵の地位を向上させるには、優良な探偵事務所を増やす必要があり、トラブルをたびたび起こすような事務所には厳しい対処をするのが一般的です。
相談できる窓口があるようでしたらぜひ活用しましょう。
しかしこうした団体に所属していない探偵事務所、所属はしているけどトラブル解決の窓口がない団体に所属している探偵事務所も存在します。
こういった場合は、「消費生活センター」に相談する方法もあります。
消費生活センターは、消費者の立場で不利益を被った方の相談を受け付ける窓口で、各都道府県に設置されています。
お住まいの近くにある窓口に相談すると、解決のためにすべきことを教えてくれるはずです。
実際に近年消費生活センターへの、探偵とのトラブルに関する相談は増加傾向です。
これは上でも紹介した架空請求詐欺に関連する相談が増えているからであり、やはりネットで検索して、「無料相談」などと喧伝しているサイトに引っかかる方が増えているようです。
ちなみにネットで「架空請求詐欺被害の無料相談窓口」と語っているサイトの中には、「消費生活センター」に似た名称で活動している団体も存在します。消費生活センターの連絡先を調べる際は、必ず公的機関のHPなどから連絡先を検索するようにしてください。
最後に法的に問題があるようなトラブルのケースです。
こういったケースでは、やはり弁護士を頼るのが一番です。依頼者とトラブルを起こすような探偵事務所の場合、トラブルが起こった時の法的対処法にも精通している事務所が多いのも事実。
法的な知識が豊富な相手に、一般庶民が個人で対抗するには限度があります。
弁護士など法の専門家を代理人に立てることをオススメします。
いきなり弁護士事務所に相談するのは難しいという方は、法テラスなどを利用してもいいでしょう。
探偵事務所と依頼者の間には、トラブルが発生する確率が一定以上存在するのは間違いありません。
そこで、トラブルを起こすような探偵事務所と契約しないために、知っておくべき方法をまとめておきましょう。
まずはその探偵事務所が所属している団体、及び協会を調べ、万が一トラブルが発生した場合に相談できる窓口があるかどうかを確認しておきましょう。トラブル発生時の相談窓口は多いに越したことはありません。
続いて各都道府県の公安委員会や県警のHPで、行政処分を受けた探偵業者の情報が出ていないか確認をしましょう。行政処分を受けたことがある探偵事務所は注意が必要です。
探偵事務所に問い合わせる前に行うチェックはここまで。続いて実際に相談した時のトラブル防衛策です。
まず、探偵が自分たちの事務所で打ち合わせするかどうかを確認。喫茶店や訪問など、事務所に依頼者を入れないような探偵事務所は疑ってかかった方がいいでしょう。
相談に行っただけなのに、その場で契約を迫ってくるような事務所もNG。「今なら割引料金で…」などという誘い文句には乗らないように注意してください。
見積もり書が提示されたら、細部まで確認し、分からないことはどんどん質問してください。当たり前と思えるようなことも質問するくらいの気持ちで確認してください。
この時曖昧な返事をしたり、説明を面倒くさがる事務所も考えものです。料金に関する規定が曖昧ということは、後に料金トラブルに発展する可能性が高くなります。
最後にここが重要ですが、できれば複数の探偵事務所に相談し、相見積もりを取るようにしてください。
探偵の調査料金の相場はあってないようなもの。1か所の見積もりでは、提示された料金が適正かどうか判断するのが難しくなります。
2か所以上の探偵事務所に、同じ内容の調査依頼をし、見積書を出してもらってください。
探偵事務所を開業するにあたって、必要な資格はありません。
各都道府県の公安委員会に申請書を提出すれば、どこの誰でも探偵事務所を開設することが可能です。
そのため、探偵事務所は優良業者と悪徳業者の差が激しく、ハズレの探偵事務所を引いてしまうと、まともな調査結果が貰えない上に、法外な料金を請求されることがあります。
こうした悪徳業者に引っかかると、当然ながらトラブルの確率も高くなります。依頼する側としては是が非でも避けたいところです。
そのためには少々手間はかかりますが、事前にいろいろな方面から、その探偵事務所が誠実な事務所かどうかを確認するのが重要です。
探偵に調査を依頼するような状況というのは、切羽詰まっている可能性が高いかと思います。
そんな状況で冷静な判断は難しいかと思いますので、冷静でいられる時にこうした知識を頭に入れておきましょう。