盗聴器が利用される犯罪

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盗聴器はどんな犯罪に利用される?

今やネット通販でも手軽に買える盗聴器。

コンセントやOAタップに仕込まれているタイプや、ぬいぐるみの中に仕込むタイプはもちろん、ボールペン型や電卓型のような録音タイプ、さらに壁の向こうの会話を機器で増幅させて聞く、コンクリートマイクなど、様々なタイプが比較的お手頃な価格で購入できます。

では、この盗聴器を利用した犯罪について考えてみましょう。

盗聴は犯罪ではない?

多くの人が勘違いしているであろう事実としては、まず「盗聴すること自体は犯罪ではない」ということです。

これはちょっと冷静に考えればわかるかと思いますが、盗聴自体が犯罪であれば、こんなに堂々と盗聴器を販売できないはずです。

しかし、一方で実際に盗聴で逮捕される人を見たことがあるかと思います。これはどういうことでしょうか?

盗聴器を購入すること、そしてその盗聴器を利用して不特定多数の音声を聞くこと自体は罪に問われません。

具体的には、購入した盗聴器を公園の中央において、その側で音声を聞くだけであれば、何の罪にも問われないということになります。

しかし、盗聴をするために他の犯罪を犯す可能性は低くありません。

例えば他人の住居に盗聴器を仕掛けるために、その住居や敷地に侵入すれば「不法侵入」ですし、盗聴器を仕掛けるために他人の持ち物や公共物を変形、損壊させれば「器物破損」になります。

つまり音声を聞くこと自体が犯罪ではなく、音声を聞くために何をしたのか、そして聞いた音声で何をしたのかが犯罪に問われるといことになります。では具体的な例を挙げて犯罪となる盗聴行為を考えていきましょう。

個人間では感情の問題が犯罪行為に

個人宅や個人所有の自動車などに盗聴器が仕掛けられるケースでは、感情的な問題で仕掛けられることがほとんどです。
そしてその感情が愛情であったり、憎しみであったりで盗聴する目的は変わってきます。

愛情が発端となるケースでは、「ストーカー犯罪」などが中心となります。

ストーカーが対象者の行動を監視したり、先の予定を知るために盗聴器を仕掛けるケースがあります。


この場合、盗聴器を仕掛ける、もしくは回収するために対象者の住居に侵入すれば住居不法侵入罪、対象者の持ち物を改造してその中に盗聴器を仕込めば器物破損罪になります。

そして盗聴した音声を基に対象者の行動予定を知り、付きまとい行為をすればストーカー規制法にも抵触する可能性があります。

憎しみという点では、対象者の浮気を暴くために盗聴器が利用されるケースがあります。

しかしこの場合、犯罪とは認められないケースがあります。

例えば夫婦間で相手の浮気の証拠をつかもうと、自宅に盗聴器を仕掛けた場合。仕掛ける場所が自宅なわけですから、不法侵入にも器物破損にも問われることはありません。

また、仕掛ける場所がパートナーの所有する車の場合でも罪には問われません。
結婚後に車を購入した場合は、自家用車は夫婦の共有財産です。

当然仕掛けた人の所有物でもありますので、罪にはならないということになります。

しかし、盗聴器を仕掛けるのが、浮気相手の自宅や車の場合は、当然ですが不法侵入や器物破損といった犯罪になります。

さらに、パートナーと結婚しておらず、また内縁関係も認められない場合、つまり恋人同士の場合は、彼氏(彼女)の自宅に仕掛けると犯罪になる可能性があります。

憎しみという点では隣人トラブルのようなケースも考えられます。

隣人など近隣の住民とトラブルになり、その家に盗聴器を仕掛けるなどの行為をすれば、当然犯罪ということになります。
また盗聴器で入手した音声を基に隣人に嫌がらせ行為を行えば、迷惑防止条例などに抵触することもあるでしょう。

盗聴で得たデータを基に、脅しや精神的に追い詰める事を目的とした理由で利用すると、刑法222条の脅迫罪にあたります。

さらに、盗聴した内容を近所に言いふらしたり、他人に情報を漏らす行為は電波法の守秘義務に違反します。

こちらを違反すると無線従事者だけではなく一般人であっても、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます。 また、プライバシーの侵害として民事で訴えられることも考えられます。

感情的な目的のなかでも、特に憎しみによる盗聴は、犯罪として行き過ぎてしまう可能性が大いにあり得るのです。

会社内でも盗聴器を利用した犯罪が

盗聴器が利用されるのは個人宅だけではありません。
場合によっては個人間の感情的な問題以上に大きな問題となり得るのが、会社内など職場における盗聴問題です。

会社には社外に漏らしてはいけない「社外秘の情報」があるかと思います。

こういった情報が、盗聴器による盗聴で社外に漏れてしまうと、会社に大きな損害が与えられる可能性があります。
こうした盗聴を行う可能性があるとすれば、やはり同業他社からの企業スパイということになるでしょう。

こういった場合、盗聴で得た音声により、他社の機密情報を入手し、その機密情報を基に自分たちが有利となるような状況を作り上げる、他社の妨害を行う、入手した情報をリークするなど、会社自体に大きな損害を与える行為が考えられます。

もちろん盗聴を利用して不正に情報を入手する行為は犯罪ですし、仮にこの情報を基に株券の購入、売却を行えば、いわゆる「インサイダー取引」ということにもなります。

また、従業員が盗聴などで入手した情報を他社に漏らすような情報漏洩行為も考えられますので、会社内では特に盗聴などに十分注意を払う必要があるということになります。

愉快犯が本物の犯罪者になる可能性も

興味本位で盗聴器が仕掛けられるケース、いわゆる愉快犯的なケースもあります。

例えば自分が引っ越す前に、旧居のコンセントなどに盗聴器を仕掛けるような行為です。

この場合、次に入居するのが誰かは分からない状態で設置するわけですから、単に面白半分でも盗聴ということになります。

もちろん、大家さんの持ち物である住居内のコンセントに設置するわけですから、当然この時点で器物破損罪にはなります。

こういった興味本位、面白半分で盗聴器が仕掛けられるケースは比較的多く、ただしそれ以上の犯罪に発展しないケースがほとんどです。何しろ仕掛けた方も、どこの誰か分からない状態で音声を盗聴しているわけで、その音声を利用して何かをすること自体あまり考えにくいということになります。

しかし、中にはこの興味本位から、大きな犯罪に繋がるケースもあります。
例えばたまたま仕掛けた先に住んでいいたのが、自分好みのタイプの異性であった場合。
この盗聴をきっかけに、入手した音声情報から個人情報を入手したり、行動予定を把握して付きまとい行為を行ったり、入手した情報を基に相手を脅すようなことをすれば、ストーカー規制法や脅迫罪、強要罪などに問われることになります。

さらに音声でその住居に人がいるかいないかを確認した上で、その家の住人が不在のスキを狙って侵入をすればいわゆる空き巣ということになります。
もともと空き巣やストーカーになることが目的で設置したわけではなくても、結果的にこうした犯罪に盗聴器が利用されることは十分考えられるということになります。

盗聴器と犯罪

繰り返しになりますが、盗聴器を購入すること、盗聴器を利用して不特定多数の音声を聞くこと自体は犯罪にはなりません。

しかし、盗聴器を仕掛けるために犯罪を起こしたり、盗聴器から入手した音声情報を基に犯罪を起こすということは多くあります。

もっといえば、刑法には触れなくても民法上で問題になるケースも。盗聴をしていることが分かったことで、プライバシーの侵害などで慰謝料を請求されることは十分考えられます。この慰謝料の場合、夫婦間でも請求できます。

盗聴器を利用した盗聴行為は、多くの犯罪行為に繋がるということは、盗聴をされている側としては、その犯罪の被害者になる可能性 があるということです。

そんな犯罪の被害者になりたくない、もしくはすでに被害に遭っているかもしれないと感じた場合は、まずその盗聴器が存在するのかどうかを探す必要があります。しかし盗聴器の捜索は、一般人にはなかなか難しいもの。盗聴器発見器というものも市販されていますが、手軽に買えるようなものではすべてのタイプの盗聴器を発見できません。

かといって多くのタイプの盗聴器を発見するために、複数の高額な発見器を揃えるのは現実的ではありません。

そこでオススメなのが、専門の業者に捜索を依頼すること。

専門の業者の中でも特に探偵はこういった捜索のプロでもあります。

もちろん盗聴器発見の専門業者でもいいのですが、こうした業者は公的な資格を有するものではありません。基本的に誰でもやろうと思えばすぐに始められる業種ですので、業者によって調査能力に大きなバラつきがあります。

その点探偵事務所の場合、開業にあたって各自治体の公安委員会に届け出をする必要があり、こうした届け出をして開業している業者はほぼ不正な調査は行いません。より安心して任せられるのは探偵事務所であると考えていいでしょう。

また、盗聴器の発見業者は、盗聴器の発見までが仕事であるのに対し、探偵事務所に依頼した場合、盗聴器の発見とともに仕掛けた人間に関する調査を行ってくれるケースもあります。より多くの情報を手にするためには、やはり探偵事務所に依頼する方が最善といえるでしょう。

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