探偵事務所に依頼される調査で、もっとも多いのがやはり「浮気調査」です。
浮気調査とは、調査対象者の行動を尾行し、浮気と思われる行為をしているかどうかを調べるものです。
ここで問題となるのがその調査費用でしょう。
浮気調査にはどのくらいの人数がかかり、費用はどの程度かかるのか?
それを抑える方法はあるのか?
そんなポイントを調べてみました。
最初に浮気調査に必要な費用には、どんなものがあるかを確認しておきましょう。
まずは何といっても人件費です。浮気調査に必要な人数について考えてみましょう。
一般的に尾行調査に必要な人数は2~3人と言われています。
仮に1人で尾行する場合、万が一調査対象者に怪しまれてしまったら、その時点で尾行を諦めなくてはいけません。その点2人で尾行していれば、1人が怪しまれても、もう1人が中心となって尾行を続けることが可能です。
さらにもし調査対象者が複数出口があるような店に入った場合、1人の尾行では1か所の出口しかマークできず、尾行に失敗する可能性もあります。
こういったことを考えると、最低2人、できれば3人で尾行は行いたいところです。
2人で調査対象者を尾行し、もう一人は車で待機。これがベストの配置といえるでしょう。
最初に尾行調査に必要な調査員の数をご紹介したのは、調査費用の中で「人件費」が非常に大きなウェイトを占めるからです。
ここで探偵一人あたりの調査費用を、一般的な人件費から考えてみましょう。探偵はもちろんアルバイトというわけではありませんが、時給換算しやすいので、アルバイトの時給から推測します。一般的なアルバイトの時給が、東京都内では1,000~1,200円程度。
探偵という仕事の特殊性を考慮すると、探偵の時給は1,500~2,000円程度が妥当でしょう。
しかも探偵は探偵社に所属する社員ですから、会社と探偵の取り分を折半と考えれば、依頼者が支払う探偵1人の1時間当たりの人件費は、3,000~4,000円程度と計算できます。
これが費用に必要な人件費になります。
調査費用として支払うのはこの人件費のほかに、使用する機材の「機材費」、車のガソリン代や駐車場代、電車移動した際の電車運賃やタクシー代など、実際の調査で使った「諸経費」、さらに調査報告書を作成する「報告書作成費」や、そもそもの基本料金となる「着手金」などが考えられます。
「機材費」に関しては他の探偵事務所でも同じような機材を使うわけですから、あまり高く設定してはお客さんが集まりません。
「諸経費」に関しては何に使用したのか領収書の写しが必要ですから、探偵事務所の儲けにはなりません。こうして考えると、探偵事務所が儲けとして計算する費用の大部分は「人件費」であることが分かります。
続いて浮気調査に必要な期間、時間に関して考えてみましょう。
この調査期間に関しては、様々な要素の影響を受けて、短期間から長期間まで考えられます。
では、どういった場合長期間になるのか?どうすれば期間を短くできるのか?を考えてみましょう。
調査期間に影響を与える要素の一つ目が、「浮気調査の目的」です。
浮気調査の目的には、「その調査結果を基に離婚を考えている」場合と、「本当に浮気をしているか確認をしたい」という場合があり、それぞれその調査期間は変わります。とりあえず離婚どうこうは考えておらず、本当に浮気しているかどうかを知りたい場合は、短期間の調査でも浮気の証拠を入手することが可能です。
理由は調査期間内に一度でも浮気の証拠を入手すればそれで調査を完了できるからです。
一方、浮気の証拠を材料にして、離婚を考えている場合には、浮気の証拠が複数必要になることがあります。
仮に浮気の証拠が1回分しかなかった場合、浮気をしたパートナーが「一度だけでした、充分に反省している」と言うと、「継続的に浮気行為をしたため離婚したい」というあなたの主張が完全には認められなくなってしまう可能性があります。
長期間同じ浮気相手と不貞行為を働いている証拠には、複数回の浮気の証拠が必要です。こうなると当然、必要な調査期間も長期になります。
別の要素としては、「浮気に関する情報の量」ということが考えられます。
仮に浮気調査を依頼するときに、「相手も分からない、いつ会うかも分からない、どこで会うかも分からない」という場合、探偵は調査対象者がその浮気相手と会って、浮気行為を行うまで尾行調査を続ける必要があり、長期の調査になります。
では、実際はどの程度の期間で考えるといいでしょう。これも状況次第ということになります。
仮に3回分の浮気の証拠を入手したいということであれば、調査期間は最低3~4日ということになります。
もちろんここまでピンポイントで調査を依頼できることは稀でしょう。
実際に考えれば、1度の浮気現場を抑えるのに1週間、3回分で3週間程度が目安になるかと思います。
仮に調査員1名の時間当たりの費用が3,000円、調査員3名、1日の稼働時間が5時間と仮定すると、1日あたりの調査費用(人件費)は45,000円。
これが3週間分で675,000円という計算になります。ちなみに1日5時間稼働は18~23時までを想定。
一般的なサラリーマンが仕事を終えて終電近くまでで計算しています。さらに3週間には土日は含めていません。
これで出たのは675,000円です。それにに他の費用をプラスすると、やはり100万円近くになってしまいます。
いろいろな探偵事務所のHPや口コミ情報なども総合して考えると、浮気調査の平均費用は30~100万円というのが相場のようです。
もちろん相場というには幅がありすぎますが、上で触れたように、浮気調査の期間はかなり幅があります。そのため費用相場もこういった幅のある数値になってしまいます。
浮気調査の費用を抑えるには、何といっても調査期間を短くすることです。
同じく調査員を減らしても安くはなりますが、調査員が減るということは調査能力が単純に落ちるということになりますのでオススメしません。やはり何とか情報を入手して調査期間を短くすることを意識しましょう。
事前に集められるだけ情報を集めることが重要ということになります。
情報を集めるにも、あまり無理をするとあなたが浮気を疑っていることが相手にバレて、警戒心が強くなってしまう可能性があります。
できる範囲で情報を集めましょう。まず毎日相手の帰宅時間をチェックする、可能であれば、相手の持ち物の中にGPS発信機を仕掛けて数日間動きをチェックする。
相手が車通勤をしているのであれば、車の中のゴミ箱を調べるなどして、レシート類を集めておく。こうした地道な情報集めでも、十分調査の手助けになります。
浮気チェックとなると相手のスマホのチェックをしたくなるところですが、する場合は細心の注意が必要です。他人のスマホを盗み見るのは、例え夫婦間であっても犯罪行為にあたる可能性があります。
そして依頼の時点で「毎週〇曜日に会社の後輩の△さんと、×という町のホテル◇で会っている」ということまで分かっていれば、探偵はその曜日のみ尾行をすればいいわけですから、調査期間は短くなります。
イメージとしては、これで1回分の浮気の証拠をとるのが約一週間から約3日に縮まります。3回分で調査期間10日として依頼すると、人件費は450,000円。
これだけでも3週間分まるまるの調査費用より20万円以上費用を抑えることが可能です。
実際に探偵に浮気調査の依頼をする場合、できれば複数の探偵社に見積もりを出してもらい、その見積もり費用を見比べて比較をしましょう。
その際の注意点は、できれば同じ料金体系で比較すること、追加でどのような費用を請求されるのかを確認しておくこと、見積もり金額の内訳を確認しておくことです。
見積もり金額の内訳を確認しておくことで、他社との人件費の差や、機材費の差が比較しやすくなります。そして追加費用に関してしっかりと聞いておけば人件費以外の費用に関しても、各社のおおよその費用が推測できるため、比較がしやすくなります。
こうしてキッチリと比較をしてから、最善の提案をした探偵事務所と契約をしましょう。間違っても最初に相談に行った日に即契約などしないよう、必ず一度持ち帰って検討するようにしてください。