一般人でも簡単に手に入るようになったと言われている盗聴器。
今では様々なタイプが存在しており、そのタイプ別に発見方法は変わります。
それぞれのタイプの特性を知って、その対処法を知ることで盗聴被害から逃れることができるかもしれません。
いつ何時誰から盗聴をされるか分からない現代。
盗聴器の特性を理解し、一度身の回りをチェックしておくといいかもしれません。
様々なタイプが存在する盗聴器ですが、分類をして覚えておきましょう。
まずは電源方式から。
「寄生タイプ」の盗聴器とは、家にある電化製品などに寄生して、そこから電源を取り続けますので、電池を交換する必要がありません。
つまり半永久的に稼働し続ける厄介な盗聴器といえるでしょう。
ただし、寄生タイプの盗聴器は、電源の取れるところにしか仕掛けられないという特徴も併せ持ちます。
コンセントの差込口やルームライト、電話機など電気が通電しているものに寄生するしかありません。
設置場所が限られる。これが寄生タイプの盗聴器の特徴になります。
一方設置場所が自由になるのが「電池式」の盗聴器です。
こちらは電源自体も搭載しているため、寄生タイプのように電化製品に取り付ける必要はありません。
ぬいぐるみの中や花瓶の内側、ソファの隙間などにも設置できます。
設置できる場所に限定がないということは、好きな部屋の盗聴が可能ということで、寝室やトイレなどにも設置可能です。
ただし電池式ということは、いずれは電池が切れます。
寄生タイプとは違い、半永久的に稼働することはなく、ある一定の期間で稼働は止まります。
そこで盗聴を終了するか、どうにかして盗聴器を回収して設置し直す必要があります。
続いて盗聴した音声の傍聴方法による分類をしてみましょう。
まずは「電波方式」です。
これは盗聴した音声を電波に乗せて外部に飛ばす方式です。
電波式の特徴は、「盗聴器を回収する必要がない」ということです。
回収する必要がないということは、一度仕掛けてしまえば好きな時に盗聴できるということになります。
ただしこの電波タイプも万能ではなく、まず電波が届く範囲に限度があるということ。
電波の届く範囲は電波方式の中でもタイプ別でまた変わってきます。
もっとも手に入れやすい、一番多く流通している「アナログタイプ」の有効距離は最大でも100m程度。
盗聴器を仕掛けた部屋の近所にいないと盗聴できないということになります。
続いて「デジタルタイプ」。
こちらは携帯電話を改造するなどして利用されることが多く、携帯電話の回線で盗聴音波を飛ばすので、それこそ日本のどこにいても傍受可能です。
電波方式の盗聴器を発見するには、その盗聴電波をキャッチするのが基本です。
市販されている盗聴器発見機は、主にアナログ電波をキャッチする仕様になっていますが、市販品はさほど精度が高くなく、必ず盗聴器の発見が可能というわけではないのでご注意を。
デジタル電波を飛ばすタイプの盗聴器は、電波を暗号化して飛ばしていますので、電波をキャッチするのが難しいといえます。
ただし携帯電話を改造するなどしたものがほとんどですので、基本的に本体が大きく、電池式になっているので、注意深く探せば発見は難しくないといえるでしょう。
電波式以外では「録音式」の盗聴器も存在します。
こちらはそもそも電波を飛ばしていませんので、電波による発見は難しくなります。
録音式の盗聴器はデータを録音して本体に残しますので、そもそもサイズが大きめになります。
さらに盗聴した音声を聞くには、盗聴器自体を回収する必要がありますので、設置しやすく回収しやすいところにしか仕掛けられません。
普段使っているカバンの中などに仕掛けられるのが一般的です。
ここまでは一般的な盗聴器でしたが、ここからは見た目や形状が特徴的な盗聴器をご紹介しましょう。
まずはUSBメモリー型の盗聴器。
見た目はまったく普通のUSBメモリーで、しかも実際にUSBメモリーとしても利用できるのがポイントです。
電源は接続したPCから充電でき、モデルによっては音声感知センサーがついており、音声を感知すると電源が入るセンサーを搭載しているので、少量の電力でも長時間利用可能となっています。
見た目が同じUSBメモリー型の盗聴器を2つ用意し、あなたの荷物からたびたびすり替えてしまえば、長期間にわたる盗聴も可能。非常に危険な盗聴器といえます。
続いてペンタイプの盗聴器。
普段はボールペンとして普通に利用できますが、その持ち手のあたりに小さなマイクがついており、本体内部に電池と録音媒体が仕込まれているタイプです。
こちらも2本用意し、あなたが知らない間にすり替えてしまえば、毎日いつまでも盗聴が可能ということになります。
では肝心の盗聴器の探し方を確認しておきましょう。
まず電波式を発見するにはやはり盗聴電波をキャッチするのが最善ということになります。
ただしキャッチできるのはアナログ電波限定。
デジタル電波を利用している物の発見は素人にはほぼ不可能と言っていいでしょう。
盗聴器発見の専門業者か探偵が利用するスペクトラムアナライザー(通称スペアナ)などを使えば発見の可能性は高まりますが、まず機材が高額ですし、取り扱いが難しいので素人では発見は難しいでしょう。
続いて録音式ですが、こちらは電波が出ていませんので盗聴器本体を見つけ出すしかありません。
ただし録音式は回収をしないと盗聴内容が聞けませんので、回収がしやすい場所、むしろ普段持ち歩いている物の中に紛れ込んでいることがほとんどです。上で紹介したボールペン型やUSBメモリー型などのように、普段使っている物の中に仕込まれていることがほとんどです。
寄生タイプの盗聴器を探すのであれば、何より電源が供給できる場所を疑うべきでしょう。
電源タップやコンセントの差込口、ベッド脇の電気スタンドや目覚まし時計の中などがアヤシイといえます。
他人から貰った物や、気づかないうちに家にある物などをチェックしましょう。
電池タイプの盗聴器は本体が大きいのが特徴です。
本体自体に電源を持っていますので、小型化といってもそれなりのサイズにはなります。
これを隠すにはそれなりの場所が必要になりますので、例えばプレゼントでもらったぬいぐるみや、旅行のお土産でもらった置物の中などに仕込むのが一般的です。
また、こちらも普段使っている物に仕込まれることもありますので、録音方式同様の探し方もしておきましょう。
ここまでは現状多く流通している盗聴器のタイプをまとめましたが、盗聴器も日々進化を続けています。
そんな最新の盗聴器について調べてみました。
まずは盗聴音声をインターネット回線の乗せて外部に送るタイプの盗聴器。こちらは本体を見つけない限り、電波などから追跡するのは不可能です。
デジタル方式の電波タイプの盗聴器も、スペアナの調査をかいくぐるタイプが出ています。それがスクランブル方式の盗聴器。こちらは一定の周期で周波数を変えながら電波を送るタイプの盗聴器で、スペアナでも調査は難しいタイプになります。
さらにあなたのスマホにアプリをダウンロードするタイプの盗聴アプリも存在します。
このアプリはパッと見ただけではインストールされていることも気づかないようになっており、気づかないと盗聴され続ける危険性があります。
また、パソコンのウェブカメラを利用した盗聴ウイルスソフトも開発されており、これまで以上に強力なセキュリティを心がける必要があります。
このように盗聴器はどんどん新しいタイプが発売されており、発見する手法もそれに対応した方法が必要となります。
ひょっとしたら盗聴されるかもと思ったらまずは自分で調査。それでも見つからない場合は、探偵など専門の業者に調査を依頼するといいでしょう。