市販の盗聴器が年間40万個売れると言われる現代。
誰でも盗聴の被害に遭う可能性があります。
そんな盗聴器を発見してくれる「盗聴器発見業者」が多数いるのも不思議ではありません。
しかし多数いるということは、それだけ悪徳業者も増えるということ。
今回はそんな悪徳な業者に引っかからないために、盗聴器発見業者の見定め方、比較の仕方、失敗しない選び方などをまとめてみました。
まずは、盗聴器発見業者とのトラブルで目立つケースを知っておきましょう。
何といっても多いのは「料金トラブル」です。
例えば「最初の見積もりより全然違う高額な料金を請求された」ですとか、「広告で『調査料金10,000円 それ以上は頂きません』と謳っていたのに80,000円請求された」などなど、盗聴器発見業者とのトラブルの大半はこの料金の問題です。
料金の問題に続いて多いのが、「盗聴器はないと言われたのに、後日別の業者に見てもらったら盗聴器が出てきた」という「調査能力」の問題。
この2つの問題をクリアできれば、盗聴器発見業者とのトラブルはほぼ回避できると考えていいでしょう。
まずは「調査能力」の問題を回避することを考えましょう。
これに関しては、ある程度依頼者にも盗聴についての知識が必要となります。
知識がないとどんな機材でどんな調査を行うのか?という大事な部分が理解できず、結果調査能力の足りていない業者に依頼してしまったり、高額な調査料金を請求されることになってしまう可能性があります。
まず盗聴器の基本を知っておきましょう。
盗聴器には「録音式」と「電波式」があり、電波式にはさらに「アナログ電波式」と「デジタル電波式」があります。
それぞれのイメージとしては、録音式はボイスレコーダー、アナログ電波式が市販の盗聴器、デジタル電波式がスマートホンと考えていただければ大きく間違っていないかと思います。
この中で録音式に関しては、後にその盗聴器を回収する必要があり、一般家庭に仕掛けられることはあまりありません。
問題となるのはアナログ電波式とデジタル電波式。
これらの盗聴器は電源さえ確保できれば、回収する必要もなく、いつでもアナタのプライベートな音声を傍受することができる機器になります。
そこで、アナログ電波式とデジタル電波式の盗聴器の発見方法について知っておきましょう。
アナログ電波式の盗聴器は、盗聴した音声を電波に乗せて外部に飛ばし、外部でその音声を傍受するために設置されます。
市販されている盗聴器のほとんどがこのタイプとなっています。
その理由は、まず受信機を選ばないということがひとつ。特定の周波数を受信できる物であれば他社製品でも受信できますし、極端な話ラジオでも受信できる可能性があります。
他の理由としてはやはり安価で生産・販売が可能であるということもポイントでしょう。
また、市販の盗聴器が使用する周波数帯は、ほとんどが140~400MHzの範囲内に収まっていることも知っておきたいポイントです。量産が求められる市販品は、多くのユーザーにとって対応しやすい範囲内で生産されますので、周波数帯も大体同じような周波数帯のものが多くなります。
アナログ電波式の盗聴器を発見するには、この盗聴電波を探知し、その電波強度を測定して、仕掛けられている場所を絞り込む方法が中心となります。
そのために必要な機材が、「広帯域受信機(固定型と持ち運び型)」と、「盗聴発見専用機」です。受信機は「すごいラジオ」だと思ってください。
幅広い周波数帯をカバーし、高感度な受信が可能となっている機器になります。
もちろん固定型の方が性能が高いので調査の際は固定型と持ち運び型の両方を用意してくれる業者がベストです。
盗聴器発見業者に機材の説明をされたとき、少なくともこの受信機の対応する周波数は聞いておきましょう。できれば最大3.2GHzの周波数帯までカバーしているのが理想です。「盗聴器発見専用機」は、受信機で受信した周波数帯の電波の出所を特定するための機器になります。
これに加えさらに「金属探知機」、「グラスファイバースコープ」、「赤外線センサー」などを用意している業者であればさらに安心です。
これらの機器は、見つかりにくいところに仕掛けられている盗聴器の場所を特定するために利用されるケースがあります。
デジタル電波式は、盗聴した音声を暗号化し、デジタル電波に乗せて外部に飛ばします。
デジタル電波とはつまり携帯電話の電波ですから、日本国内で電波が届く所ならどこまででも飛ばすことができます。
アナログ電波式と違い、音声そのものが飛んでいるわけではなく暗号化されていますので、音声を受信するという方法は効果がありません。
また飛んでいる電波も携帯電話と同じ電波ですから、単純に電波を調べるだけでは「その電波が盗聴器から発せられているものかどうか」の判別ができません。
そこで登場するのが「スペクトラム・アナライザー」、通称「スペアナ」と呼ばれる機器です。
スペアナを利用することで盗聴器のデジタル電波を見つけ出すには、それなりの知識と経験が必要となります。
盗聴器調査業者を見極める際は、機器が揃っているかどうかはもちろん、それを扱える人がいるかどうかも確認しておくことが重要です。
さらに現在ではステルス盗聴器なるものも、高価ながら一般人が入手できるようになっています。
このステルス盗聴器で代表的なものが「リモコン式」と「スクランブル式」。
リモコン式は、外部のリモコンで盗聴器のONOFFを切り替えることができるもの。
盗聴したい時だけ盗聴器をONにし、それ以外の時はOFFにします。
電源がOFFの間は当然ながら電波は飛びません。
スクランブル式は複数の周波数を定期的に入れ替えて電波を飛ばす方式になります。
あるスクランブル式盗聴器は、1秒間20回、6種類の周波数に切り替えながら電波を飛ばすそうです。
一般的にデジタル式盗聴器の発見方法は、盗聴器が利用している周波数を特定し、その発信源に近づいていくというもの。この周波数の特定のためにスペアナを利用します。
しかしステルス式の場合、電波が発されていなかったり、周波数がコロコロ入れ替わっているため発見ができない、もしくは難しいということになります。
こういった時に利用される機器が「NLJD」と呼ばれる「電子回路探知機」です。
このNLJDの有無も盗聴器発見業者を選ぶときのポイントとなるでしょう。
そのために必要なのが、「納得のいく見積もりかどうか?」という部分です。
悪徳な盗聴器発見業者の特徴として、やたらと契約を焦るということが考えられます。
見積もりの時点で「早く盗聴器を撤去しないとマズイ」、「あなたのプライベートが筒抜けです」などと、依頼した側が動揺するような言葉を並べて契約を迫るような業者はNGです。
きっちりと依頼者の疑問や不安に向き合ってくれる業者を選ば鵜ようにしましょう。
具体的な部分では、「最終的な料金をハッキリさせる」というのがポイントです。
どのような調査機器で、何人くらいで、どのくらいの広さの部屋を調査するかで料金は変わってきます。
これらを細かく説明してくれて、最終的な料金を告げてくれる業者を選ぶようにしましょう。
さらに言えば、どういったケースだと追加でいくらくらいの料金が加算されるのかもはっきりさせておくといいでしょう。
盗聴器発見業者と契約するのは、これら料金の部分で納得した上で契約するようにしてください。
では盗聴器発見業者の選び方をまとめてみましょう。
盗聴器発見業者の力量をもっとも端的に測れるのは、「調査機器のレベル」です。
もちろんそれを操作する人の技術や知識も重要ですが、結局一番重要なのは機材のレベルです。
ちなみに機器の知識がないという方も以下の機器は覚えておきましょう。
理想を言えば6.0GHzまでカバーしてもらうことですが、このクラスの盗聴器をしかけるのはもはやプロの行為ですから、探偵などプロから仕掛けられているという状況でない限り必要ないでしょう。
イメージとしては最低3.0GHzは必要で、予算が許すならば5.0GHzまで調べてもらうくらいがいいでしょう。
そして、あとは料金と盗聴器発見時の確認です。
料金に関しては上でも触れた通り、最終的な料金をハッキリさせてから契約しましょう。
盗聴器発見時の対応に関しては、勝手に撤去するのではなく、設置されているところを実際に見せてもらってから、取り外してもらうようにしてください。
実はこれが悪徳業者対策になります。
悪徳業者の中には、自分たちで持ち込んだ盗聴器を、さも仕掛けられていましたというように見せてくるケースが確認されています。こういった悪徳行為に騙されないように、取り外す前に本当に設置されているかどうか自信の目で確認できるようにしてください。
盗聴器発見業者の料金設定は、業者によって様々です。
できれば複数の業者に見積もりを出させて、もっとも理想に近い業者に依頼するようにしましょう。